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松林の中に建つ二層の木造御殿、二条城の本丸御殿。天守台跡から望み、背後には京都の山々が広がる 優先入場可

二の丸御殿とその鴬張り

六棟の連なる建物、数千点の障壁画、足もとで鳴る床——二条城の二の丸御殿内で見逃せない見どころをご紹介します。

2026年10月 更新 · Nijo Castle コンシェルジュチーム

二の丸御殿こそ、多くの人が二条城を訪れる理由であり、その価値は十分にあります。国宝である六棟の連なる建物には3,600点を超える障壁画が収められ、その多くは寛永年間に狩野探幽が手がけたものです。足もとには鴬張りの床があり、歩くたびに鳴り響き、城自身が伝説と称する有名な逸話をまとっています。その広間の一つである大広間では、1867年10月、政権が天皇に返上されるさなか、徳川慶喜が家臣たちを集めました。本ガイドでは、見学中に目にするもの、床の本当の仕組み、二の丸庭園、原画を間近で鑑賞できる場所、そして訪問者がつい見落としがちな休城日やルールをご案内します。館内の見学には約30分、庭園にはさらに時間をお取りください。

二の丸御殿とは

二条城は1603年に徳川家康のために築かれ、その建設は1601年に命じられました。1624年から1626年にかけて、1626年の後水尾天皇の行幸に備えて拡張されました。二の丸御殿は、その徳川の城の偉大な現存建築であり、二条城と聞いて多くの人が思い描く御殿でもあります。城に滞在できるのがたった1時間でも、ここにその時間を使うべきです。

6棟の建物が連なり、国宝に指定されています。内部には3,600点を超える障壁画があり、そのうち1,016点が重要文化財です。30分の見学で味わい尽くすにはあまりに多い絵画ですから、何を見ているのかを知っておくと役立ちます。時間は読み物ではなく、眺めることに使うつもりでいてください。この訪問を主役にするのは絵画です。

城全体は1939年に京都市へ譲渡され、1994年には「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されました。敷地は周囲約2キロメートルの内側に275,000平方メートルが広がっており、二の丸はその広大な敷地の一部にすぎませんが、見逃せない部分です。足がまだ軽いうちにここへ来られるよう、一日の計画を立ててください。

唐門

御殿へ向かう前に、唐門に立ち寄りましょう。重要文化財で、檜皮葺の屋根に彫刻がびっしりと施されています。鶴、松、竹、梅、そして狛犬。多くの人が足早に通り過ぎてしまいますが、それは惜しいことです。細部は数分間じっくり眺めるだけの価値があります。まずは狛犬を探してみてください。いちばん見つけやすいモチーフです。ゆっくりとご覧ください。

まず後ろに下がって門全体を眺め、それから近づいて一つひとつのモチーフを順に拾っていきましょう。松・竹・梅は日本の装飾における古典的な三題であり、ここで鶴や獅子とともにそれらを見つけることは、内部の障壁画を前に目を養うよい準備になります。ここでペースを落とせば、御殿がより深く理解できるはずです。

唐門と二の丸の間は、この城の集合写真スポットです。ここで写真の順番待ちをする人々がいると思ってください。御殿の内部は撮影禁止ですから、庭園に出るまで写真を撮る最後の機会がここです。集合写真はここで済ませ、次の30分はカメラをしまいましょう。屋外ならどこでも写真は自由です。

狩野探幽と障壁画

御殿の障壁画の多くは、狩野探幽による寛永期の作品です。壁や扉一面に描かれ、各部屋を連続した一つの情景に仕立てています。ですから一枚の襖にとどまらず、部屋全体を味わうのが得策です。細部を見る前に、まず部屋の中央にしばらく立って、全体の構図を頭に入れましょう。自分を囲む一つの空間として障壁画を味わう、気軽な方法です。

6棟に3,600点を超える障壁画がありますから、30分ですべてを研究することはできませんし、そうすべきでもありません。ペースを落とす部屋をいくつか選びましょう。部屋ごとに描かれた主題の大きさがどう変わるか、また障壁画が廊下から差し込む光とどう響き合っているかに注目してください。きちんと見た3、4室は、ちらりと眺めた30室に勝ります。

よい光のもとで原本を間近に見たいなら、城内の障壁画ギャラリーでは、年に4回展示替えされる企画展で二の丸の障壁画の原本が公開されています。別途入場券が必要で、当料金には含まれていませんが、障壁画目当てに二条城を訪れる方には知っておく価値があります。年間約240日開館していますので、予定を組む前に確認してください。

6棟の建物を歩いて巡る

見学は約30分です。6つの建物はつながっているので、外に出ることなく次へ次へと進み、部屋が順に現れます。廊下は特に日中混み合うことがあるため、心地よいペースで歩き、立ち止まりたいときは脇に寄りましょう。一番乗りに賞はありません。

横だけでなく上も見上げてください。絵画は壁の高い位置まで描かれ、部屋の規模そのものが見どころの一部です。そして足元の床に耳を傾けてください。ここで登場するのが鶯張りの床で、一歩ごとに鳴き声のように響きます。その仕組みは下で詳しく説明しますので、音が鳴り始めたときに何を聞いているのか分かるはずです。

本丸御殿もご覧になるなら、その対比に注目してください。二の丸は徳川家の城の物語に属し、本丸は1890年代にここへ移築された皇室の宮家の住まいでした。同じ日に両方を見れば、二条城のまったく異なる二つの顔が分かります。どちらか一方だけなら二の丸が定番ですが、両方を続けて見るほうがより良い体験になります。

大広間と1867年10月

大広間は、1867年10月に徳川慶喜が家臣を集めた広間です。その集まりは政権を天皇にお返しすることにつながります。徳川家康のために築かれた城にとって、徳川の物語のその瞬間がここで展開するのは印象的です。数ある部屋の中でも、ここはゆっくりと時間をかけるべき場所です。

大広間に立ったら、その場面を思い描いてみる価値があります。260年以上前に徳川家康のために築かれた城が、徳川支配の最後の一幕を迎えるのです。歴史を知ることで見えるものが変わる部屋の一つですから、この段落は訪れる前に読んでください、後ではなく。ここでは少しの想像力が大きな違いを生みます。次へ進む前に一分間を捧げましょう。

大広間は庭園にとっても重要です。二の丸庭園は大広間の西側に広がっているので、御殿を出れば、広間が終わったところから庭園が始まります。退出のルートを計画する際に覚えておいてください。庭園はちらりと見るのではなく、きちんと一周する価値があるので、余力を残して御殿を出ましょう。

鶯張りの床:その本当の仕組み

廊下を歩くと床が鳴り、その柔らかなきしみが板に名前を与えました。一歩ごとに音が鳴り、混み合った廊下ではその音が絶え間ない背景のざわめきとなって、部屋の名前を忘れた後も長く記憶に残ります。聞き逃すことは難しく、微笑まずにはいられません。廊下を歩き始めた最初の一歩から耳を澄ませてください。

音は、床板の下の金具が、体重で板が動くときに釘とこすれ合うことで生まれます。床の固定方法による機械的な副産物であり、隠された仕掛けではありません。それが分かれば、歩く速さや足の置き方で音がどう変わるかに耳を傾けてみてください。金具と釘、それ以上に不思議なものはありません。古い建物が実用的な理由で音を立てるという良い気づきです。

鶯張りの床は侵入者を知らせる警報として設計されたので、暗殺者が音を立てずに忍び寄ることはできなかった、とよく言われます。良い話ですが、城自身はそれを俗説と説明しています。音そのものをあるがままに楽しみ、列に並んで警報説を語る人には遠慮なく訂正を伝えてください。真実はもう少しありふれたものです。

二の丸庭園

二の丸庭園は大広間の西側にある池泉庭園で、特別名勝に指定されています。作庭には小堀遠州も関係したとされます。本丸庭園の開けた芝生とは趣が大きく異なり、水と石を中心に構成された空間です。御殿を出たら、ぜひ時間をとって歩いてみてください。ゆっくり味わうほどに美しさが際立ちます。

御殿と庭園をあわせて見学するには、城の案内によれば約1時間から1時間半かかります。御殿を足早に出て池の前を素通りするのはもったいありません。池の周りを歩けば、たった今見てきた建物を振り返る景色が広がり、屋外での写真撮影も可能です。時間が足りない場合でも、一周だけでもする価値があります。

庭園のあとに時間があれば、城内には1965年に造られた和風と洋風の半々からなる清流園や、本丸御殿と庭園を見渡す旧天守閣の石垣もあります。どちらも長めの見学に彩りを添えてくれます。とりわけ清流園は、御殿の内部を見たあとに穏やかな気分転換をもたらします。

休館日・時間・館内の決まり

二の丸御殿は1月・7月・8月・12月の毎火曜日、および12月26日から28日、1月1日から3日まで休館です。これらの火曜日が祝日にあたる場合はその日に開館し、翌日が休館となります。城全体は12月29日から31日まで休館です。予約前に日付をご確認ください。京都滞在が一日だけの日に御殿が休館というのは残念な思い出になりますが、2分の確認で避けられます。

二の丸の最終受付は16:10です。城内への入場は16:00まで、閉城は17:00です。本丸御殿も時間指定券で見学される場合、本丸の時間が午後遅めなら二の丸を先にしてください。そうしないと見学できなくなる恐れがあります。午前中の見学なら両御殿ともに最も余裕が生まれますので、可能なら早めの開始をお選びください。

御殿内での写真・動画撮影は禁止です。屋外での写真撮影は可能ですが、三脚・一脚・ドローンは城内のどこでも使用できません。飲食はメイン休憩所のみで、一度退出すると再入場はできませんので、すべてを一度の見学で回る計画を立ててください。入る前に食事を済ませ、散策用の水を持参し、カメラは庭園用にとっておきましょう。

よくある質問

なぜ「うぐいす張り」と呼ばれるのですか?

歩くたびに鳴き声のように響くからです。その音は、床が体重でたわむときに板の下の金具が釘とこすれて生まれます。

うぐいす張りは侵入者を知らせる警報として造られたのですか?

城の説明によれば、それは俗説です。鳴き声は、金具が釘とこすれる床の固定方法による副産物であり、意図的な警報ではありません。

二の丸御殿の見学にはどのくらいかかりますか?

所要時間は約30分。二の丸庭園を含めると1〜1.5時間。本丸御殿とその庭園も加えると、全体で約2.5〜3時間です。

二の丸御殿内で写真を撮ることはできますか?

いいえ。館内での写真撮影・動画撮影はできません。屋外での撮影は可能で、唐門と二の丸の間が城内の集合写真スポットです。

二の丸御殿の休館日はいつですか?

1月、7月、8月、12月の毎週火曜日、および12月26日〜28日と1月1日〜3日です。火曜日が祝日の場合はその日に開館し、翌日が休館となります。

二の丸御殿は料金に含まれていますか?

はい。各料金には、お一人様につき二の丸御殿を含む城内入場と、時間指定の本丸御殿入場券が含まれています。襖絵ギャラリーは別途チケットが必要で、含まれていません。

二の丸御殿の壁画を描いたのは誰ですか?

壁画の多くは寛永年間の狩野探幽による作品です。御殿には3,600点以上の壁画があり、そのうち1,016点が重要文化財に指定されています。